未病とは病気が発症していない状態を表す概念である。従って、未病のうちに管理(治す)することは病気の予防になることは当然である。しかし、検査値が異常値であったり、自覚症状が出てからでは遅いと考える。がんは自覚症状がないことが多く、検査で発見されることが圧倒的に多い。しかし、検査値が異常でも自覚症状がなければ未病であるとすると未病の概念を認める意味がなくなってしまう。
未病とは、あくまでも検査値が異常値ではないが異常値に近い状態または、自覚症状はないが、なんとなくすぐれない心身の状態ととらえることにより未病概念が存在する意味がある。
正しい未病を普及することは東洋型保健システムであるので病気(疾病)予防に大きな効果をもたらすが、間違った未病感では未病の存在意義がなく、疾病に対する予防効果はなくなってしまう。
学会の権威のために、誰でもが考えればわかる概念を正しく伝えられないことが、わが国の学術界の汚点である。
全ては歴史が証明する日を待たなければならないことは残念である。
正しい未病概念を普及し病気の発症を防ぎ、健康寿命を新調させ且つ国民医療費の削減につなげることこそ、未病概念が存在する意義である。